若き杜氏が守り抜く「はねぎ搾り」。花酵母が香る、伝統と革新の日本酒づくり
合資会社吉田屋
2026.5.29
若き杜氏が守り抜く「はねぎ搾り」。花酵母が香る、伝統と革新の日本酒づくり
南島原市にある大正6(1917)年創業「酒蔵 吉田屋」をリポートするのは、登録者数7万人!「グルメ旅YouTubeとももぐ」のトミーさんと、関西を中心に活躍するモデル・カウンセラーの濱田隼人さんです!
迎えてくれたのは、なんと28歳(撮影当時)という若き杜氏の吉田嘉一郎さん。彼が情熱を注ぐのは、日本全国でもわずか数軒しか残っていないと言われる幻の伝統技法「はねぎ搾り」です。先代であるお父様が苦労の末に復活させ、そして息子へと受け継がれた貴重な大仕掛けの搾り機。そこから生まれる、角の取れた驚くほどまろやかな日本酒の秘密に迫ります。

大正時代からそのままという建物の中は、まさに歴史そのもの!
圧巻の「はねぎ搾り」
涼しい蔵の奥へと進むと、思わず見上げてしまうほど巨大な丸太の仕掛けが現れました。これこそが吉田屋の代名詞とも言えるお酒を搾る「はねぎ搾り」の機械です。「え!すごいんですけど。これで搾るんですか?」とトミーさんも大興奮。「槽(ふね)」と呼ばれる長方形の箱の中に、もろみを詰めた酒袋を横一列に12個ほど。それを10〜15段も丁寧に敷き詰めます。そこに「はねぎ」と呼ばれる巨木を用い、“てこの原理”で圧搾する伝統的な製法です」と吉田さん。丸太の棒だけでは重さが足りなくなるので、水がパンパンに入ったポリタンクを60個も吊るして搾っていくそう。

「重たい!!動かない!!」と苦戦するトミーさん。大量の重りとてこの原理で、上からじっくりと圧力をかけて搾ってきます。
復活した手造りの味わい
実はこの伝統的な搾り方は、大量生産時代だった昭和の中頃に一度はやめてしまったそうです。「親父がこだわったお酒を造りたいと復活させたんですが、記録も記憶もわずかしかない状態から研さんを重ね、何度も試行錯誤を繰り返し長年の研究の末、製法を復活させました」と吉田さん。現在では全国でも6件ほどしかやっていないそうです。「伝統的なやり方で搾ると味わいも変わってくるんですよね」と隼人さん。「時間をかけてゆっくりと圧力をかけるため、フレッシュ感というか角が取れてまろやかな味になります」と吉田さんも自信たっぷり。実際に看板銘柄『純米吟醸酒 はねぎ搾り萬勝(ばんしょう)』を試飲したトミーさんと隼人さんも「口に入れた時の柔らかさがすごい!芳醇とはまさにこのことですね」と目を丸くして感動していました。

じっくり味わいたいのに、おいしいからついついすぐに飲み干してしまう!とトミーさんと隼人さん。
花酵母が織りなす香り
吉田さんがとくに力を入れているのが、東京農業大学で研究されている「花酵母」を使ったお酒造りです。「自然界のお花を摘んできて、お酒造りに適した酵母はないか、花を探すという研究をやっていまして、アベリアの花酵母を使ったのが『純米吟醸酒 はねぎ搾り萬勝』です」と吉田さん。 「花酵母って聞いたので、より華やかな香りを感じますね。口に含んだ時に甘みも感じます」とトミーさんも納得。 吉田さん自身が立ち上げた新ブランド『BANG』にはオシロイバナの花酵母が。「濃厚な味わいの純米吟醸で造ってみました。コンセプトとしてはこのお酒をメインに楽しみながらおつまみをつまんでもらいたいですね」に、トミーさんも「ほんと主役になるお酒ですね」と大絶賛。

お酒のブランディングからラベルのデザインまで吉田さんが担当。
世界が認めたノンアルコールの甘酒
最後に味わうのはノンアルコールの『百年甘酒』。それも「にっぽんの宝物グランプリ2018年 世界大会」で最優秀賞受賞した逸品です。「1本ずつ瓶の中で発酵(糖化)させると米粒がこんなにしっかりと残るんです」と吉田さんが特徴を伝えると、「だからそのつぶつぶ食感がしっかりと味わえて、口の中で弾けるような感じになるんですね!」とトミーさんも感激。「また体にいいですもんね、甘酒って。“飲む点滴”みたいに言われていますから」と、吉田さんも嬉しそうです。

砂糖不使用、米麹とお湯だけで瓶の中で丁寧に造られた甘酒です。
トラディッショナル・アンド・イノベーション
「はねぎ搾りという古い伝統技術を使いながら、皆さんが今どんなお酒を求めているのかを考えています。古いものと新しいものを融合(イノベーション)させていきたいですね。それが僕にとっての日本酒です」。 最後に力強く語ってくれた吉田さん。お酒の仕込みから「はねぎ搾り」による重労働、そしてモダンなラベルデザインの制作に至るまで、一本のお酒という「作品」に込める情熱と真摯な姿勢が、飲む人の心に深く、優しく響きます。
▶︎ 本編動画を見る(巡ろう、長崎の至福の一杯。酒マニア第27話)
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