地元でとれたじゃがいもを、畑の真ん中でコロッケに。
毎日、まごころ込めて揚げています。

道の駅 251いいもりじゃがーロード内
直売所フレッシュ251 店長

杉内 エリカ

大久保 武志

杉内 エリカ

道の駅 251いいもりじゃがーロード内
直売所フレッシュ251 店長

2026.2.28

揚げたてをどうぞ。じゃがいもの発信拠点

国道沿いには、見渡す限りの畑。長崎市の中心部から車で30分ほどの場所にある諫早市飯盛(いいもり)町です。町名の由来は、町の北部にある飯盛(めしもり)山。お茶碗に盛られたごはんのような姿が、町のシンボルとして愛されています。地名も、景色も、いかにもおいしいものに出合えそうなこの町に、2025年11月、市初の道の駅がオープンしました。

じゃがいも町、じゃがいも街道を訪ねて

畑の間のカーブを抜けると、「道の駅251いいもりじゃがーロード」と書かれた大きなサインが見えてきました。目の前を走る国道251号と、町の名前「いいもり」に、一般公募で決まった「じゃがーロード」を合わせた名前です。

店のキーワードは、「地元でとれたものを、地元でいただく」。その言葉どおり、店内には、にんじん、玉ねぎ、生姜、葉物野菜から、牡蠣などの水産品、カーネーションなどの切り花、手作りのお弁当やお総菜、特産品を使用した加工品まで、地元・諫早産にこだわった商品が並んでいます。(※商品のラインナップは季節により異なります)

最も力を入れているのは、店の名前にもなったじゃがいも。一際広いコーナーに収まりきらないほどの種類と量が並んでいます。「今(※取材時11月末)ようやくじゃがいもの収穫が始まったところで、まだまだ量は少ない方なんですよ」と店長の杉内エリカさんが教えてくれました。

実は、長崎県は全国2位の出荷量を誇るじゃがいもの一大産地。諫早市飯盛町でも、約30年ほど前から基盤整備が始まり、じゃがいもの産地として県内有数の評価を受けるまでになりました。

味も、見た目も千差万別。じゃがいもの世界

あいゆたか、にしゆたか、あいまさり、さんじゅう丸……。早口言葉のようにも聞こえますが、どれも長崎生まれのじゃがいもの品種。店内には、品種ごとの味の違いや調理の仕方をまとめた大きな看板が設置されており、悩めるじゃがいも・ビギナーも一安心です。

「とにかく、ここに来たらじゃがいもがいっぱいあるよねって、分かってもらえれば」。そう話す杉内さん。看板に書かれている品種以外にも、シャドークイーンや西海31号、デジマなど、自身が食べておいしいと感じた品種を作付けしてもらえるよう、地元の生産者たちにお願いすることもあるのだそうです。

店にじゃがいもを卸しにきた農家の方が、ちょうど収穫をしているとのことで、見学に行くことに。ながさき黄金を栽培する馬場さんの畑です。ながさき黄金は、2020年に品種登録をされ、長崎で誕生したばかりの新しいじゃがいもで、まだまだ流通量は少ないものの、美しい黄金色の中身と、栗やさつまいものような甘さが、じわじわと人気を集めています。

畑が広がるのは、海に面した段々畑。一年中、海からのミネラルをたっぷり含んだ温暖な潮風が吹き抜けます。「この風のおかげで、じゃがいもの大敵である霜の被害を受けにくいんです」と馬場さん。

さらに、飯盛の赤土も、おいしいじゃがいもに欠かせない要素のひとつです。栄養満点で肥沃なこの土壌のおかげで、力強く根を張り、栄養をしっかり吸収したじゃがいもができるのだそうです。

しっとり、ホクホク。揚げたての幸せ

道の駅の名物は、多い時で一日3,000個を売り上げるコロッケ。道の駅の前身である直売所「フレッシュ251」の頃からの人気商品です。開発のきっかけは、規格外のじゃがいもでした。味には問題ないものの、形やサイズを理由に販売できないじゃがいもを使って何かできないかと考えた杉内さんの母で、創業者の佐田さん。食品ロスを減らし、農家の所得向上にもなればと始めたコロッケが、その味と手頃な価格で大ヒットします。

道の駅になっても、作り方は変えずに、全て手作業。作業場では、皮をむく人、茹でる人、肉ダネを作る人、成形する人、揚げる人と完全分業制でコロッケ作りが行われていました。

鍋の中のじゃがいもの色が気になり、品種を尋ねると、「その日によって異なるんです。今日は、ながさき黄金、にしゆたか、さんじゅう丸ですね」と杉内さん。甘み、滑らかさ、食感などを考えながら、毎日2〜3種をブレンドしているのだそうです。

茹でて潰したじゃがいもに、諫早産のにんじん、玉ねぎ、豚ひき肉を炒めた肉ダネを合わせ、成形したら、衣をつけてフライヤーへ。一日中揚げたてが店頭に並ぶのも人気の秘密です。

畑の真ん中で、揚げたてのコロッケをほおばると、湯気があふれました。しっとり、ホクホクとした味わい。すこし甘めの長崎らしい味付けも食欲をそそります。スタッフの方においしさの秘訣を伺うと、「地元産のじゃがいもを使うことと、あとはまごころかな」と笑顔が返ってきました。

「地元でとれたものを、地元でいただく」。その思いが形になったコロッケが、訪れる人の心とお腹を、今日も温かく満たしています。

直売所フレッシュ251

直売所フレッシュ251

諫早市飯盛町上原1376 TEL:0957-48-2242

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