極力シンプルに。
旬の食材1つ1つの個性を引き出す
小浜温泉 なごみのやど 旅館 富士屋
2023.12.18
雲仙の種採り野菜と百年甘酒・甘麹のどちらもが際立つように、調味料は極力少なくシンプルにこだわり、食材1つ1つの個性を引き出しました。
・ぶり大根の百年甘酒ソース
・種採り野菜の百年甘麴漬け
調味料は極力少なく商品の良さをそのまま使用。長崎の橘湾で獲れたブリと、雲仙つむら農園さん種採り野菜「打木源助大根(うつぎげんすけだいこん)」を使用してぶり大根にしました。
味付けのメインに、吉田酒造さんの百年甘酒と百年甘麹を使用しました。
吉田酒造さんの百年甘酒と百年甘麹は手間暇かけて製造されており、手を加えなくても非常に素晴らしい味に完成されている為、砂糖不使用で極力シンプルに仕上げました。
とろみを付ける為に通常は、片栗粉やバターを使用しますが、百年甘麹でとろみを補う事が出来ました。
甘みが強く、肉質が柔らかい打木源助大根との相性抜群で、百年甘麹の粒々食感が食材の良さを引き立ててくれているように感じます。
薬味代わりにサラダからし菜をトッピングしました。ピリリとした辛味がアクセントとしてピッタリで色も鮮やかなので料理の色合いを美しく彩ってくれます。
皮も余すところ無く使用し、食材そのものを味わう
極力シンプルにこだわり、塩とみりんと甘麹だけで味付けをしました。
素材によって甘麹に漬ける時間を変えて、麹と野菜のどちらの素材も引き立つ濃度にしました。
種採り野菜は農薬不使用で素材そのものが栄養価が高い為、本紅金時人参と黒田五寸人参は皮ごと漬けました。
黒田五寸人参の方が人参感がすごく、強い香りを感じます。
2種類の人参を使うことで色味や香りの違いを比べる事が出来るのではないかと思います。
ヤーコンはシャキシャキとした食感が特徴的なので、食感を楽しんでほしいです。
紅芯大根は酸性の柚子に漬ける事で発色が鮮やかになる、ひと手間を加えました。
素材の香り、色合い、食感を堪能出来る逸品です。
季節に合わせた食材で他のメニューにも挑戦したい
コロナ禍で滞っていた経済や観光客の足取りも日常に戻りつつあるように感じます。
日本料理は季節感を表現する事が多いため、季節を変えて別の食材でまた違うメニューにも挑戦してみたいですね。
県内食材は安定供給が難しいと感じていますが、生産者との繋がりを大事にし、出来るだけ長崎県産の食材を使い、地産地消出来るようにしていきたいと思います。
取材日:2023/3/5 ライター: RuRi #ナガサキタビブ