「日本一美味しい地鶏を」
始まりも今も揺るがない、生産者の熱意と探究

轟名水ファーム高来
代表取締役

野副 智徳

大久保 武志

野副 智徳

轟名水ファーム高来
代表取締役

2024.1.15

「美味しいものを皆に」生産者を突き動かすのはシンプルな情熱だった

元々自ら経営する居酒屋で、鶏料理を提供していたんです。七年前、もう一度美味しい鶏料理を作ろうとなり、その時、初めて対馬地どりに出会いました。当時の正直な印象は、「もっと美味しくなれそうだな」というものでした。それで「日本一美味しい地鶏を!」と養鶏にハンドルを切りましたね。もちろんすぐにうまくはいかず、視察や見学・資格取得と、三年間準備を重ねました。そのタイミングで、以前から養鶏事業をしていた事業者さんに飼育を委託する形で養鶏がスタートしました。その後も、掛け合わせや肥育日数、餌など試行錯誤に数年費やしました。今も試行錯誤は続いていますが、原動力となっているのは「美味しいものを食べたい」、そして「美味しいものを皆に食べてほしい」というシンプルな気持ちです。

味もDNAも。すべてが特別な長崎対馬地どり

対馬地どりの味の特徴は、歯応えがありながら固すぎないということです。それに、脂身が臭みのなく美味しいこと、皮目をパリッとするまで焼いても身は柔らかいこと、水っぽくなく鶏本来の味がすることなども私が目指した点です。味だけでなく、遺伝子の面でも、対馬地どりはすごく特異なんですよ。シャモやコーチンなどと違い、対馬地どりの原種は島の中で隔離されていたので、他の鶏と交雑することなく独自の生態系を維持したまま育ったんです。遺伝系統が他の鶏と全く違う、歴史を紡いできた鶏と言えるんですよ。

味を支える屋台骨は丁寧な肥育

掛け合わせや肥育日数、餌などかなり工夫したのもありますが、肉質や味には、肥育環境が大きく関係してきます。養鶏を委託している南高愛隣会さんでは、障がい者の方々が肥育に携わっているおかげで、通常の鶏舎に比べかなり丁寧なお世話をしてもらっています。新鮮な水を与えたり、もみ殻の交換をしたり、こまめなケアは味に本当に影響するんですよ。私自身も驚いたほどです。そういった良い点はそのままに、改善点はこれからも試行錯誤を繰り返し、「よりよいもの」を「より美味しく」「より安心安全に」を意識し、挑戦を続けたいですね。

ライター:カマサキ(#ナガサキタビブ)

轟名水ファーム高来 トドロキ メイスイファーム タカギ

轟名水ファーム高来 トドロキ メイスイファーム タカギ

諫早市高来町

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