2001年に入社してオープンからこちらのお店に関わっています。四川飯店グループの中でも、四川飯店はオーソドックスな四川料理をお出ししてますが、私たちのレストランでは四川料理の知識を持って、色んな食材を使い、新しいチャレンジをしてお客様に楽しんで頂くというスタイルでやっています。オープンキッチンなのでお客様側から調理場の中が見えて料理人の姿を見ることができるので、楽しみながら安心して料理を召し上がって頂けます。料理人をリクエストして、その人に作ってもらうこともできるんですよ。メニューは毎月変わりますが、基本的に「できない」ってことは言わないので、こういうのが食べたいというリクエストにはお応えするようにしてます。
以前、コースで黄金あなごのフリッターを出した時も、身のふっくら感や「ふわふわ」っとしてる感じがお客様に評判でした。その時に、「この食材を使って他にどんな料理ができるかな」と想像して試作品を作ったり、スポットでお客様にお出ししたりもしています。中国の四川省で流行っている干鍋ですが、ぷりっとした身の黄金あなごと味が合うのは間違いないなと想像がついていました。
長崎は中国の文化が根付いているからか、中国料理に合うお野菜や食材が多く、中国料理との親密度が高いと思っています。どんな料理を作ってもフィットしますね。ご縁を頂き、長崎の食材は一番深く関わらせて頂いています。対馬地どりは僕が中国で食べた鶏肉と一番食感が近くてはまりましたし、五島うどんも中国料理と相性が良く中国の味付けとマッチして、お客様からも好評でした。
長崎県に行って各地で生産者の方に会って直接お話する機会がありましたが、生産者の年齢層が決して若くないなと感じました。自分も実家が農家でしたが、生産者がいなくなってしまうと日本の食材はなくなってしまいますし、「たくさんいいものを作っているのになくなってしまうのはもったいないな」と思っています。料理人なので、自分の料理のPRもしたいけれど、僕の料理の背景には日本の生産者がいて、生産者の人はかっこいいっていうのを伝えていきたいですね。もっと若手に引き継いでいけるように、僕なりに長崎の食の魅力を発信したいなと思っています。東京の料理人にも長崎の食材の良さは伝えていますが、東京の料理人やお客様に長崎の食の魅力をもっと知っていただきたいですね。
取材日:2022/12/11 ライター:Miyako(#ナガサキタビブ)
szechwan restaurant 陳(スーツァンレストラン チン)
東京都渋谷区桜丘町26-1 セルリアンタワー東急ホテル2F