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対馬地区
世界と日本をつなぐ国境の島「対馬」。緑深い山林、透き通る青い海に囲まれ、古来より変わらぬ絶景が残る地。
世界と日本をつなぐ国境の島「対馬」。緑深い山林、透き通る青い海に囲まれ、古来より変わらぬ絶景が残る地。
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地域を知る
対馬市:九州最北端、大陸の影響を受けた独自の文化と太古からの原生林が残る「日本のルーツ」
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美食を知る
原木しいたけ:対馬の厳しい冬が育む、芳醇な香りの肉厚しいたけ
アナゴ:対馬特産の金色輝く、脂がのった高級ブランドアナゴ
対州そば:縄文時代から受け継いだ原種に近い形で残る対馬の伝統そば
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絶景を知る
浅茅湾:対馬中央の複雑な入り江と無数の無人島が織りなす美しいリアス式海岸
和多都美神社:竜宮伝説の原点となった、神話とゆかりの深い海宮
白嶽:対馬の霊山、貴重な原始林と絶景を望む
2023.12.28
日本と朝鮮半島の狭間に浮かび、今もなお大陸から伝来した歴史や文化が残る、「日本のルーツ」対馬。
- 対馬市
- 九州最北端。九州と朝鮮半島の間に浮かぶ島。対岸の韓国まで約50kmと本土より近く、条件が揃えば、展望台から釜山を眺められる。6つの有人島と、102の無人島からなる。南北82キロ、東西18キロ、面積は約708㎢と沖縄本島と北方四島を除けば佐渡島・奄美大島に次ぐ大きさで、島土の約89%は山地、太古からの原生林が残り、日本では対馬でしか見る事のできない固有の生き物が生息する。四方を海に囲まれ、透明度が高く美しいリアス式海岸など、手付かずの豊かな自然が特徴。大陸の影響を受けた独自の食文化が残る島。
福岡空港、長崎空港共に、各空港から対馬やまねこ空港まで、飛行機で約30分。博多港から高速船だと約2時間半で厳原港へと到着する。韓国の釜山へは、高速船で約70分という近さ。島が大きい為、移動手段はレンタカーがおすすめ。島では、お寺で仏教体験ができる宿坊、島民の生活、地元の人との出会いや触れ合いができる民泊。農業や漁業体験を行える農泊など、よりディープな対馬を感じる事ができる宿泊施設からグランピングなど、様々なタイプのホテル・民宿・旅館が点在する。旅のテーマに合わせた宿泊地選びも楽しいのが、対馬の魅力。
対馬地区
美食を知る
WISDOM OF FOODS
原木しいたけ
対馬のしいたけには美味しい理由がある。
◆ 島の寒さが美味しくなる条件
◆ 森のアワビ、対馬のしいたけ
◆ 料理の主役に
島の寒さが美味しくなる条件
玄界灘に浮かぶ対馬。平均気温が九州本土より2〜4度低く、寒暖差が激しく冬には大陸から冷たい季節風を受ける。この厳しい自然環境に耐えてじっくり育った樹木は成長の過程で栄養素が蓄えられ原木栽培に最適な原木になる。その原木で冬場の厳しい環境の中で育つからこそふっくら肉厚で芳醇な香りのしいたけができる。自然のままであり本物のしいたけ。まさに、島内循環型である。
森のアワビ、対馬のしいたけ
島の自然の恵みを受けたしいたけは、身が引き締まって、とにかく肉厚。「森のアワビ」と称され、ジューシーでコリコリとした歯応えがあり、口の中でふわっと広がる濃厚で芳しい香りが特徴。全国的にも高い評価を受けており、対馬を代表する食材。
料理の主役に
オススメの食べ方は、生しいたけをオリーブオイルでじっくりと焼いて、バターを載せて。焼くとより甘みが凝縮され、しいたけの濃厚な旨味と、バターのコクが、じゅわ〜と口の中で広がる。こんがりと焼けた香ばしさと、しいたけの豊かな風味はたまらない。 肉厚で存在感抜群の原木しいたけ、料理の主役にどうだろうか。また、乾燥原木しいたけからは、香りの良い旨味たっぷりの出汁が出来上がり、煮物やスープなどの料理がより美味しく出来上がる。
アナゴ
金色に輝くブランド魚、金アナゴ。
◆ 対馬の海が、ブランド魚を生み出す
◆ 種を守る伝統的なかご漁
◆ 塩で頂くお刺身!?
対馬の海が、ブランド魚を生み出す
対馬は島周辺に天然の岩礁が多く点在し、対馬暖流と大陸沿岸水が交錯して世界有数の好漁場が形成されている。対馬市西沖の韓国との国境付近で獲れる対馬のアナゴ。水深150m以上の深海で、水温約6℃付近の安定した水温の中で成長するため、身が引き締まり、脂がのった大振りアナゴが育つ。また、太陽に当たらず日焼けをしない為、水揚げすると腹が金色に輝く。
種を守る伝統的なかご漁
対馬では、種を守る伝統的な「かご漁」が行われている。一般的には底引網で行われるが、海底を根こそぎ一気にさらうため、幼魚も獲ってしまい網の中でかき回されアナゴが傷ついてしまう。対馬では餌の入ったかごを海底に沈め、中に入ったアナゴを丁寧に取り出す。かごに水抜き穴が開けられており、幼魚が逃げれる仕組みになっている。種を守りながら、新鮮で傷がない元気な状態で水揚げされる。
塩で頂くお刺身!?
対馬アナゴは、骨まで柔らかく、淡白で上品な脂と甘味が特徴。対馬ではミシュランガイドにも掲載された、漁師から直接仕入れた新鮮な「対州黄金あなご」を堪能できる名店もある。島ならではの食べ方、お刺身を対馬の塩で頂く。脂をうまく引き出し、噛めば噛むほど広がる甘味が堪らない。アナゴの血は毒がある為、新鮮なのは大前提、適切な血抜き処理が出来ていなければ、刺身として食べる事ができない。対馬現地だからこそ頂ける逸品。白焼き、寿司、あなご天ぷらやせいろ蒸し。対馬でしか味わえない、新鮮で肉厚ぷりぷりな、アナゴ料理を堪能できる。美味しいお酒と共になんて、最高な旅の思い出になるはず。
対州そば
縄文時代から受け継がれる伝統そば、「対州そば」
◆ 日本のそばの発祥地
◆ 幻のそば
◆ 島の人々に愛されて
日本のそばの発祥地
中国南部からヒマラヤ周辺が、そばの原種のルーツ。縄文時代に、朝鮮半島を経由し日本で最も早く対馬に伝来したと言われている。対馬は海で囲まれた離島だからこそ、いま現在も原種に近い形で残り、栽培されている。平地の少ない対馬の環境に適した特別な生産方法により長年育まれ、高い品質と評価されており、地域の農林水産物や食品の名称を守る事を目的とした「地理的表示(GI)保護制度」に「対州そば」が長崎県で初めて登録された。
幻のそば
「対州そば」は小粒で香り高い。強いコシがあり、麦本来の風味が深くほのかな苦味が感じられる。「幻のそば」とも呼ばれ、古来から変わらぬ味を求め、対馬現地へ足を運ぶそばマニアも多い。
島の人々に愛されて
冠婚葬祭やお祭、冬至などの行事でそばを出す風習があり、今でも一部の家では自家で栽培した「対州そば」を打つ。対馬の郷土料理「いりやき鍋」のしめにも使われ、島に暮らす人々の食文化には欠かせない、ソウルフードとして愛されている。
長崎県の食材を使った
料理レシピを紹介!
対馬地区
絶景を知る
WISDOM OF SCENERY
浅茅湾
対馬の中央に位置し、古代から天然の良港として知られる「浅茅湾」。全域が壱岐対馬国定公園に指定され、複雑な入り江と無数の無人島が織りなすリアス式海岸に囲まれる風光明媚な海域。空港から車で40分程の「鳥帽子岳展望台」では、浅茅湾を360度見渡せる。東側には対馬海峡、西側には朝鮮海峡が広がり、雄大な景観を楽しむことができる。
和多都美神社
彦火火出見尊(ひこほほみでみのみこと)と、豊玉姫命(とよたまひめのみこと)を祭る海宮。龍宮伝説の原点となった場所であり、神話とのゆかりが深い対馬。一直線に並んだ5本の鳥居のうち2本は海中にそびえ、鳥居の先には「龍宮の門」があるといわれている。空港から車で30分程、伝説に彩られた神秘的な神社の、幻想的な空気に触れることができる。
白嶽
古来より対馬を代表する霊山として崇められた「白嶽」。朝鮮半島などの大陸系植物と日本系植物が混生し、独自の生態系を持つ。貴重な原始林を持つとして、国の天然記念物に指定されている。標高約519m、山頂から360度の眺望が広がる。山頂までの登山道も整備されており、初心者でも気軽に登山を楽しむ事が出来る。道中には、四季折々の植物を始め、野生動物と遭遇する事もある。