長崎の大地で育った
新鮮食材・素材の良さを引き立て
味で幸福感を伝えたい
料亭 一力
2023.12.11
食材の良さを引き立てる調理法と組み合わせ
幕末から代々受け継がれ、200有余年もの歴史がある料亭一力。
幼いころから料亭の信州蒸しを口にしてきて、茶そばの香りと出汁に魅了されてきました。
信州蒸しを長崎県の食材を使い、長崎らしい逸品となるように表現し、アレンジしました。
長崎といえば「そば」ではなく「素麺」だろうと思い、コロナ禍の時に出会った島原そだち本舗の伊崎さんの島原素麺を取り入れ、長崎県産の鯛と雲仙こぶ高菜を使用し地元長崎の食材にこだわりました。伊崎さんの素麺は香りもあり、普通にたべても美味しいです。
生産者が一番美味しいと推奨する茹で時間を忠実に守ることが一番美味しく食べられると思います。
鯛は皮にも栄養があるため皮ごと使用します。雲仙こぶ高菜のシャキシャキとした食感を最大限に活かすために葉と茎を切り分け余すところなく使い、少量の塩で茹で、茎は内側、葉の部分を外側として巻きこみます。素材本来の風味を引き立て、汁物などの料理にうま味を加える「出汁」が最後の決め手です。
日本料理の基本ともいえる出汁が、食材全ての味を調和させ長崎蒸しに仕上げます。
椀を開けた時の感動と味で幸福感を
「どんな料理が出てくるのだろう」と椀の蓋を開ける瞬間に、ワクワク感を楽しめます。
蓋を開けて広がる鰹と昆布の出汁の香り、鮮やかな発色の雲仙こぶ高菜の長崎蒸しに感動して頂けたらと思います。
食べやすく、女性にも優しい一口サイズに仕上げました。
高菜のシャキッとした食感と、素麺と鯛のホロホロと解ける食感が出汁に絡み合い調和していく逸品です。付け合わせの海苔が磯の香りを引き立て、薬味のわさびを使用することで、より一層美味しさを際立て最高の幸福感を感じます。
信州蒸しをアレンジした長崎蒸しへの挑戦
シャキッとした食感でアクが少ない雲仙こぶ高菜と、コシがあり歯切れの良い島原素麵を信州蒸し風に白身魚と蒸し、香り際立つカツオ昆布出汁と合わせました。
日本料理の基本ともいえる出汁に日本の食文化を感じます。
取材日:2023/3/6 ライター: RuRi #ナガサキタビブ